ネットミーム25年史を作ってわかったこと ― 2ちゃんからTikTokまで
日本のネットミーム25年間を横スクロールで振り返るコンテンツの制作裏話。データ収集の苦労やミームの分類基準について語ります。
「ネットミームの歴史」は、2000年代の2ちゃんねる文化からTikTok全盛期の現在まで、日本のネットミーム約25年間を横スクロールで辿れるコンテンツです。
制作を通じて気づいたことや、データ収集の苦労話をまとめます。
なぜネットミームの歴史を作ったのか
ネットミームは「その時代を生きた人にしかわからない」ものが多く、記録が散逸しやすいという問題があります。2ちゃんねるの有名なコピペやフラッシュ動画は、元のサイトが閉鎖されて原典にアクセスできなくなっているものも少なくありません。
「ある程度まとまった形で残しておきたい」という思いが制作のきっかけでした。
データ収集で苦労した3つのポイント
1. ミームの「起源」の特定が難しい
多くのミームは発生時期が曖昧です。例えば「草(w→草)」の表現は、いつ頃から使われ始めたのか正確な時期を特定するのは困難です。複数のソースを照合して、「おおよそこの時期」という判断で記載しています。
2. 画像・動画の著作権問題
ミームの多くは既存のコンテンツを加工したものです。コンテンツに掲載する際は、著作権に配慮してテキストベースの説明を中心にしました。
3. 「ミーム」の定義が曖昧
リチャード・ドーキンスが「利己的な遺伝子」で提唱した本来の「ミーム」は文化的情報の伝達単位ですが、ネットスラングとしての「ミーム」はもっと狭い意味で使われます。このコンテンツでは「ネット上で広く共有・模倣されたコンテンツやフレーズ」という定義を採用しています。
横スクロールUIを採用した理由
歴史コンテンツには「時間軸」の表現が不可欠です。縦スクロールでもタイムラインは作れますが、横スクロールにすることで以下のメリットがありました。
- 時間の流れを左から右への自然な移動で表現できる
- 年代ごとの情報密度の違いが視覚的にわかる(2010年代以降は急激に増加)
- スマホでのスワイプ操作との相性が良い
実装にはCSS overflow-x: scroll とスクロールスナップを組み合わせています。
制作を通じて気づいたこと
25年分のミームを時系列に並べると、ネットの「主戦場」の変遷がはっきり見えます。
- 2000年代前半: 2ちゃんねる、個人サイト
- 2000年代後半: ニコニコ動画、mixi
- 2010年代前半: Twitter、LINE
- 2010年代後半: Instagram、YouTube
- 2020年代: TikTok、Discord
プラットフォームが変わるたびに、ミームの形式も「テキスト→Flash→動画→ショート動画」と進化しています。メディアの進化がミーム文化を変え、ミーム文化がプラットフォームの人気を左右する。この相互作用の歴史が、横スクロールの中に詰まっています。